土地を活用しないのは「もったいない」と言うけれど、それは何のことでしょう。所有者が他人に貸して家賃を取ろうとしないことなのか、どうせ使わないのに他人に安く使わせないことなのか、いずれにせよ「土地で利益を上げないこと」を指しているのではないでしょうか。所有権とは、それを使って何をしてもよい自由のこと。そこで利益を求めるのも求めないのも、所詮所有者の自由です。私たちは、この「自由を使わないこと」を「もったいない」と考えます。

かつて所有者自らがそこで事業を行っていたころ、土地は事業に必要な資源であり、所有権とは自由に事業を行いその収益を得る権利のことでした。ところが、所有者が事業を辞め他人に賃貸し始めると、土地・建物は運用資産となり、所有権もまた、利用者の自由を制限し賃料を徴収する権利に変化しました。その結果、かつて所有者自身が賃料の負担なしに営んできたような収益性の低い小さなビジネスは淘汰され、限定された高収益のビジネスだけが生き残る社会になりました。そしてこの淘汰は、更なる廃業と賃貸不動産を生み出す悪循環を生みました。

新たな供給が止まらない賃貸不動産もまた淘汰を避けられませんが、ビジネスと違い不動産は消滅しないので問題はさらに深刻です。空き家問題とは、こうした構造的な社会現象の一部にすぎず、淘汰を前提に競い合うビジネスでは、この問題を打開するのは無理でしょう。私たちが目指すのは、全ての土地が儲かる資産になることでなく、全ての土地が何かに役立つ資源となること。その「何か」を自由に模索するために必要なのが「所有権」そのものです。所有権無くして土地資源の自由は利活用はあり得ません。

だから私たちは、所有者から許可を得て土地を利用するのでなく、所有者の参加のもと、共に所有者として土地資源の活用に取り組みます。所有者参加の土地活用とは、土地を使って所有者の「生き甲斐」や「やり甲斐」を生み出し、それを参加者と共有し、継続する仕組みにしていくことです。