世界の地主(第2章)

地主の学校開設に向けて、土地の所有権に関する勉強をしている。第3章で「地主の役割」を論じるために、第2章の「世界の地主」では様々な事例を参照しようと考えているのだが、これを調べるうちにとんでもない現実が見えてきた。それは、個人の土地所有権を認めている国がそもそも少ししかない上に、 “世界の地主(第2章)” の続きを読む

地主のちから(第1章)

地主の学校の開校に向け、早速準備に取り掛かった。まずは、毎週土曜を作業日と決め、企画作業を進めていく。プロジェクトを立ち上げる時、僕は必ず作業日を決め、ゴールを決めて突っ走る。そしていつものことながら、せっかく作業日を決めたら、その日は何が何でもイベントにする。だから、今後しばらくの間、 “地主のちから(第1章)” の続きを読む

地主≠大家

地主と大家は違う。当たり前のことだけど、最近僕はこのことに気づいて愕然とした。確かに大家さんの大多数が地主でもある。僕の取り組んでいる「地主支援」には、大家さんに役立つことも含まれるので、「大家支援も仕事のうち」と思い込んでいた。だが、僕の提案の核心は、土地を売らずに永続的に利用すること。土地を売ったら地主で無くなるのだから地主が土地を売らないのは当たり前だが、 “地主≠大家” の続きを読む

僕ら自身が王になる

僕が前回シンガポールを訪れたのは、2004年のことだった。ひょんなご縁で資産家の友人から「シンガポールのプライベートバンカーに会ってみないか」と誘われて、僕は迷うことなく飛びついた。プライベートバンクと言えば、ゴルゴ13ご用達のスイス銀行を思い浮かべるが、日本でその実態に触れることはまずありえない。 “僕ら自身が王になる” の続きを読む

古民家と所有者

ようやく秋らしい快晴の日々が続くようになったので、昨日の朝僕はスーパーカブに乗って、「所有者主導の土地資源活用事例」の訪問調査に出発した。今回この調査を思い立ったのは、もちろんソーシャル不動産プロジェクトの紹介事例を増やすためだ。先週まで雨や台風が続いたり足の小指を怪我したりで、どうせ事務所で悶々と暮らすなら、思い切って時間を割いて活用事例を検索しまくった。収集にあたっては、 “古民家と所有者” の続きを読む

ハートを持った不動産

4月19日、結局〆切当日最終日に、ソーシャルイノベーションフォーラム2017へのエントリーを無事完了した。僕はこうしたビジネスコンテストの審査員や主催者にはなるものの、応募するのは今回初めてで、この1ヵ月はホントに辛かった。でも、応募したからと言って一息ついてはいられない。書類審査の結果を待つまでもなく、 “ハートを持った不動産” の続きを読む

社会の課題は開示せよ

「空き家問題」という言葉を聞いて、人々が頭に浮かべる「問題」は様々だ。そもそも「問題」という言葉は、物事にまつわる様々な課題の総称のようなものだ。つまり、何事に対しても「問題は何か?」といえば、必ず一つや二つ「課題という答え」があり、問題を解決するということは、それらの課題をすべて解決することだと思っていた。 “社会の課題は開示せよ” の続きを読む

家族は家賃を払わない

今、笑恵館でちょっとした問題が起きている。オーナーのTさんが、アパートに住む新婚夫婦に対し「もうじき赤ちゃんが生まれるんだから、もっと広くて安いアパートを紹介する」と退去を勧めているのだ。当の入居者は「どうしてTさんは僕たちを追い出そうとするんだろう」とすっかり困惑しているので、 “家族は家賃を払わない” の続きを読む

所有権を使うビジネス

いま日本中で放置される土地が増えている。僕は「この問題」に取り組んでいきたいと思うのだが、なかなかうまく行かない。それは、「放置されていること」と「使われていないこと」が、混然と議論され、問題点が不明瞭だからではないか。土地が使われていないことは、確かに良くない。空き家や空き地、 “所有権を使うビジネス” の続きを読む

不動産 vs 無限源

相続税が支払えずに土地を物納したり、相続人がいないため国が土地を引き取ると、道路や公共用地として使用できるものだけ利用して、残りはすべて売却される。国が欲しいのは、必要な公有地とお金だけ。残りは民有地として、民間に競売(払い下げ)となる。当然のことだが、「民有地をどのようにしていくのか」に対し、 “不動産 vs 無限源” の続きを読む

所有権の質

先日、六日町の老朽旅館を見に行ったついでに、十日町に立ち寄った。建築家青木淳氏の十日町「分室」が「ブンシツ」というプロジェクトになったことは以前ご紹介したが、今般その第1期が「分じろう」として竣工したというので、 “所有権の質” の続きを読む

所有権を使ってできること

1.      土地所有権は、夢を叶える自由

  • 所有権は、土地を自由に利用できる権利です。
  • だからこそ、あなたの願いを叶えるために、所有権を使いましょう。
  • 土地資源を活用して、あなたの願いを叶える提案をいたしますので、まずはあなたの願いをお聞かせください。
  • 積極的な思いでなく、「・・ならないようにして欲しい」など、消極的な心配事でもかまいません。
  • あなたの世代で叶わなくても、誰かに引き継いで欲しい想いでも結構です。

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自立と孤立

無縁社会の言葉の通り、孤立する人が増えている。収入を得られずに結婚や扶養を諦める人。収入を得るために仕事を優先し出産や同居を諦める人。その背景には、「個人の自立」を善とする社会の合意が存在する。自立することは大切なことだが、孤立することは恐ろしいことだ。できれば「孤立でない自立」を目指したいと思うのだが、 “自立と孤立” の続きを読む

所有権と自由

Oレジデンスのシンポジウムにコメンテーターとして招かれた。このプロジェクトは自宅をシェアハウス的な賃貸マンションに建替え、その一部を地域に開放するというもので、僕は笑恵館で似たようなことに取り組む人という位置づけだ。笑恵館では、パン屋を中心に施設を開放しているが、 “所有権と自由” の続きを読む

土地と資源

以前あるセミナーで、「土地は何でできているでしょう」という質問をしたことがある。これに対し、参加者から「地面」「陸地」「石や土」など様々な答えが出たが、僕の頭が一番反応したのは「地球の表面」という答えだった。土地とは何か、土地の所有権とは何かを考える上で、「地球の表面」という解釈は示唆に富んでいる。所有できるのは陸だけではなく海も同じこと。「誰も所有できない」とはまさに所有の議論だ。川は海と同じか、浅い川はどうか、流れの変わる川はどうか、陸地という言葉の定義もなかなか難しい。つまり、これらを包含し、確実に指し示すのが「表面」いう言葉だ。したがって、土地は石や土のことでもない。地球という天体の表面を、他の動植物の許可も得ずに人間が勝手に分割し、そこに所有権を発生させているだけのこと。だからこれは、極めて人間的な仕業だと言える。 “土地と資源” の続きを読む

永続性を作ること

Kさんの実家は高知県土佐市の山の中。空き家状態になってしまったため、地元の自治体の空き家バンクに登録して利用者を探していた。先日入居希望者との契約も済み、空き家バンクも捨てたものじゃないね、などと話していたのだが、「これって全然解決じゃないですよね」とKさんは言う。 “永続性を作ること” の続きを読む

空き家活用の相談

空き家活用の相談が動き始めました。

八王子のSさんのお宅は施設が老朽化したものの、市内に残る8件の繊維工場の一つとして操業中ですが、この先どうして行くのか思案中だとか。また、今週9日には栃木の御実家が空き家状態になってしまったSさんが、笑恵館にお越しになります。 “空き家活用の相談” の続きを読む

土地所有者の役割

鎌倉時代以降日本の社会は、武家支配による社会が長く続いた。歴史ドラマなどを見ていると、功績のあった武将がその褒賞として領地を授かり、そこを治めて国づくりに励む話をよく見かけるが、権力の中央に対し、上納金や献上物などの負担があっても、交付税や助成金のような分け前があったとは考えにくい。 “土地所有者の役割” の続きを読む

所有者参加の土地活用

土地を活用しないのは「もったいない」と言うけれど、それは何のことでしょう。所有者が他人に貸して家賃を取ろうとしないことなのか、どうせ使わないのに他人に安く使わせないことなのか、いずれにせよ「土地で利益を上げないこと」を指しているのではないでしょうか。所有権とは、それを使って何をしてもよい自由のこと。そこで利益を求めるのも求めないのも、所詮所有者の自由です。私たちは、この「自由を使わないこと」を「もったいない」と考えます。 “所有者参加の土地活用” の続きを読む

所有権と所有義務

ランドリソース活動は、土地所有のあり方についての提案でもあります。 土地所有のあり方は、今の日本においては「所有権」という権利が誰に帰属するかによって所有者が決まります。あえて「今の日本」と加えたのは、地域や時代によって異なるからです。例えば、国の領土について日本と中国では違います。中国政府はすべての領土を所有していますが、日本政府はそうではありません。 “所有権と所有義務” の続きを読む

所有権を否定してみよう

新しいことって、何かを辞めること、何かを否定することでもあるんです。

私が夢中になっているランドリソース(土地資源)という考え方は、土地を「資産」でなく、「資源」として活用しようというもので、今まさにこの概念を使って「空き家の無い社会」の実現を目指して活動しています。

そもそも「空き家はなぜいけないのか?」 “所有権を否定してみよう” の続きを読む