「位置」とはどこにあるかを示す言葉なので、自分の土地が世界のどの部分にあるのかを決めることを「位置づけ」という。全体の中での位置を「絶対的位置」といい、すべての土地を特定するユニークな情報だが、土地が所属する全体によって様々だ。例えば、地球を全体として使われる絶対位置の「緯度・経度」はGPSなどで表示される座標だが、日本国内での絶対位置は郵便配達に使用される「住居表示」や登記簿に使われる「地名地番」が一般的だ。だが、住居表示は道路に面する入り口の場所で定められ同番地の家が多数あるため、土地とユニークな関係ではないし、町名は昔の町名の統廃合などにより頻繁に変更される。一方で、登記簿上の地番はすべての土地にユニークに対応していて、土地の分筆に対応して枝番がつけられるが、住居表示との食い違いが多く、なかなか現地にたどり着けないなど、どちらも一長一短だ。いずれにせよ、我が国の土地の絶対的位置は、GPS・郵便・登記の目的ごとに分かれる上記の3種類が、土地全体の把握や、土地の位置を広く告知するときに欠かせない情報だ。

 

一方、どこかを起点や中心とした場合の他の位置を相対的位置と言い、移動や通信など目的ごとに様々な方法で表される。飛行機で移動するならベクトルのように距離と方角で表すが、鉄道移動なら歩行距離と乗車時間となるだろう。相対的な位置関係は、移動に関する情報であれば、結局所用時間と金額を求めるために使われる。徒歩を含めた移動手段ごとに速度と金額が異なるので、昔に比べるとその組み合わせは遥かに多様で複雑なため、今では自分で判断せず、ナビソフトに依存するようになってきたが、それは相対的な位置情報でなく、GPSを活用し、膨大な絶対的位置情報から最適経路を算出しているに過ぎない。こうした移動は自動化され、人間は経路など考えず、到着地のみを指定するようになりつつある。

 

こうして絶対的位置で位置づけした土地に、相対的位置を使って誘導するのだが、位置は複数になると順番や分布などの意味を持っている。順番は道順や並び順など、複数の土地を訪ねる順や、土地の中を歩く時の後先(あとさき)を説明する位置情報だ。また、距離を比較する近い順や、移動を楽にする高さ順など、順序を検討するためにも順番情報は使われる。一方、分布は同じものが複数ある時のその位置関係を意味する。敵や味方の分布と自分との位置関係を知ることは、土地利用の戦略を考える上で大切な情報になるし、利用者に対するアピールにもなるだろう。

 

これらの位置情報をまとめ、世界の全体あるいは一部を縮小し、記号や文字であらわした図を地図という。一般的には陸地の輪郭と国境や地域社会の境界線を表示して絶対的位置を表して、その上に必要な要素を書き込んである。絶対位置に関する情報として緯線・経線に準ずるグリッド線が表記されることもあるが、実際の地球は球体なので、平面の地図は厳密にいえば歪んでいる。でも、地図は先ほど述べた順序や分布などの位置関係を示すことが主目的なので、次項で述べる形状の正確性にはあまりこだわらない。また、地図に表記する内容は、地図作成の目的によって決まってくるので、先ほど述べた陸地の輪郭や地域の境界の上に書き込む内容が問題だ。移動のためなら道路や鉄道などが必要だし、土地の位置関係を知るためには土地の境界線を書く一方で、無駄な情報は一切書き込む必要はない。その意味で、販売されている地図や、案内所で配布されている地図が必要に応えてくれるはずがない。だから、土地利用に際しては、関係することを書きこんだ「案内図」を自分で作る必要がある。

 

案内図に書き込むべきことは、大まかに分けると「土地へのアクセス」と「土地の主要施設」と「その補完施設」だ。まず、アクセスとは土地にたどり着く経路のこと。主要駅やインターチェンジなど誰でもたどり着けるポイントから、土地までの経路と、途中で間違えないための目印などが必要だ。次に、土地の主要施設の位置。表記方法は自由だが、入り口や駐車場などの導入部分と、到着点となる受付部分は欠かせない。そして最後は補完施設。土地の周囲は賑やかな町だとか、富士山が見えて気持ちがいいとか、あなたの目指す世界のイメージを実現するために、必要な近隣施設や場所、景観などがあれば、それを加えて、地図に理想を表現するといい。

 

だが、案内図を作るためには、ゴールとなる土地の利用方法を決める必要がある。それが判らなければ周囲の補完施設を選び出すこともできない。そこで、まず初めにやるべきことは、自分の土地の位置づけを地図から読み取ることだろう。自分のやりたいことに役立つ要素はどのように分布しているか、必要な施設やアクセスとの位置関係はどうなのか。そして、敵対する競合施設や邪魔者の分布やそれらとの位置関係はどうなのか。こうして案内図を作る前に周辺分析図を作りながら、自分の土地の位置づけを考え、まず初めに名前を付けることを勧めたい。