土地利用が実現するためには、そこが名前の付いた施設になることをイメージするといい。そのために必要なのが、土地の内部を把握するための「施設案内図」のような図面だ。施設案内図は土地の図面でも建築の図面でもないので、不動産屋や建設会社では作ってくれない。土地利用に関する説明のため、地球の一部である自然の土地と、人間が作った建物や設備を対等に配置しなければならないので、結局土地利用する人が自分で作らなければならないのは地図と同じことだ。そこでまず、この図面の作成に必要な「形状」について説明する。

 

先ほどの位置情報は、土地が全体のどの部分かを示すため、土地の内側から見た外部に関する情報だったのに対し、形状とは、土地をどのような部分が集まった全体かを示すため、土地の外側から見た内部に関する情報だと言える。したがって、全体の形状は、それを構成する部分の組み合わせで出来ているが、その部分は、さらにそれを構成する部分の組み合わせで出来ている。例えば、敷地全体は四角い土地だが、その中に三角の建物が建っていて、中に入ると丸い部屋がたくさんあり、その中心に六角形の広間がある。敷地や建物のカタチは外見だが、部屋や広間のカタチは外から見えない空間の形状だ。つまり、形状とは、空間を内外の区別なく、客観的に説明する概念だと言える。

 

また、形状は一般的に視覚的なカタチを意味するが、色や記号など四角で区別できるすべてが含まれる。例えば自分の土地を「四角い」とか「丸い」というのが形状による視覚的説明だが、さらに複雑なカタチになれば「旗竿のような形」とか「星のような形」となるかも知れないし、「点線で囲まれた部分」や「青く塗った部分」のような説明になるかも知れない。さらには、音や手触り、においなど、視覚以外で感じる要素も含まれる上に、それらが生み出す人間の感情まで含まれると言っていい。

 

結局土地利用とは、何かの目的(why)のために様々な方法(how)を用いて何か(what)を行うことであり、これらに関する土地の部分の役割を、形状を使ってすべて説明する必要がある。例えば、細かい作業をするために明るい部屋が必要なので、大きな窓を作ったとする。その場合は、大きな窓のある部屋を作業室と名付けて明るい部屋と説明すればいいだろう。つまり、大きな窓という形状は方法(how)で、作業室を明るくすることが目的だ。だとすれば、明るくするためには他にも壁を白く塗ったり、天井器具を増やしたりと様々な方法がある。これらの方法を形状とするならば、壁の形状は色、照明の形状は明るさとなり、様々な五感で説明することになる訳だ。

 

土地利用には名前が必要だとはじめに述べたが、名前のない土地利用が無いわけではなく、むしろ名前のない土地利用の方が多いだろう。例えば、普通田んぼや畑にはいちいち名前などついていないし、住宅には住所と名字があるだけだ。だがもしも、住宅に「愚為庵」などと言う名前があるとしよう。それは一体何なのか、あなたは気になるに違いない。そしてその家の外見から何かを創造し、もしかすると期待をもって中を除きたくなるかもしれない。土地活用とは、ここから始まると私は思う。名前こそが、はじめに出会う形状だ。それは何か(what)と考えることは、何のため(why)とどうやって(how)を考える第一歩だと私は思う。そして、土地のすべての部分に目的と方法を割り当てることで、土地の形状が見えてくる。