沢登り

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名栗の森オーナーシップクラブは、埼玉県飯能市名栗湖に接する山林のオーナーが、所有者として山林を経営する仲間を募るプロジェクト。月に1度、地元での例会(午前)+現地での活動(午後)を行っていく。1年を通じて現地を体感することで「自分の山を知ること」が、メンバー全員・山林所有者として初めにやるべきことだと考えた。なので、このレポートは「山林所有者」の目線で書いてみたい。

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第2回目の例会にあたる今回9月25日(日)の活動テーマは「沢登り」。前回同様の尾根歩き班と二手に分かれ、今回は谷底の沢を登り、名栗の森の全容を把握したいと考えた。幸い天気は前回同様、雨後の晴天となったが、前夜までの雨天続きのせいか、川の水量がやや多めに感じられた。7月に見つけた沢への入り口から水辺に出て、砂防ダムの滝をめでているうちは、一同くつろいだ雰囲気で記念写真などを撮っていた。そして3つ目のダムのわきをよじ登りそこから沢歩きがスタートした。

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苔が蒸しているのは、水位が変わらない証だと、以前聞いたことがあるが、ここはまさにそういうところなのだろうか。倒木だけでなく、横向きに生えている木々までもが緑の衣を身にまとい、次第に自分自身の肺の中にも緑の空気を感じるように思えてきた。しかし、そんな悠長なことを言っていられたのはしばらくの間だけ。沢登りはみるみる滝登りへと変化してきた。

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大した装備もせず、沢登りなどしたことのない人たちが、初めは顔を出している岩などを伝い、やがて浅瀬を探しながら流れの中を歩き、最後には腰まで浸かって前進できるルートを必死に探した。地図で見れば目指す境界までは300m足らず、標高差も60m程度なので、慌てることも無理する必要もないのだが、小さな滝を登るたびに「退路が断たれた」ような気分になり、気が付けばちょっとした断崖に僕らは挑んでいた。

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いよいよ境界間近のところで、急斜面が立ちはだかり、すこし引き返してから山道によじ登ることにしたのだが、ずぶ濡れの下半身のおかげで汗もかかず、案外心地よい自分に気が付いた。山道にたどり着くと、尾根歩きをしたメンバーが出迎えてくれて、ようやく一安心。久しぶりの全身運動の疲れがどっと吹き出し、明日の筋肉痛を予感させてくれた。帰りの山道では、絶えず沢の流れる音が響き、見下ろせばすぐ下に小さな流れが見え隠れする。そのちっぽけな景色の中で、奮闘していた自分たちを思うと、「小さな人間」が愛おしく思えてきた。

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前回の尾根歩きと同様に、沢歩きもまた自然の中に作られた「道」をはっきり見出すことができた。漫然と斜面を歩くのと、こうした道を歩くのは、全く違うこと。ちょっと引き返すべき「退路」を意識しながら、山歩きとは無縁な僕たちが滝を60mも登れたのは、そこに道を感じ、導かれたからに他ならない。街で生きてきた僕らが、これから山林と付き合っていくうえで不可欠なものが「道」であることを、体で会得できたような気がする。

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そしてもう一つの気づきは、人間は自然の中で驚くほど小さいこと。名栗の森は長さ900m、最大幅180m、標高差300mという規模で、関東ふれあいの道を歩けば20分程度で通り過ぎてしまう奥武蔵山塊入り口に位置するほんの一部分だ。ところが、苔生した尾根道を探索すれば往復で2時間弱、沢登りなら片道2時間のアドベンチャーだ。本当の自然には、深いも浅いも関係ない。たとえ山の入り口に位置していても、人が踏み入れていなければ、そこはディープな別世界だ。僕はこの森を知ることで、日本中のすべての森が素晴らしい場所かも知れないことに気付き、くらくらと目まいを感じている。休憩所と、展望台を経由しながら、ピークを目指し黙々と歩く人たちに、「ちょっと寄ってかない?」と声をかけたくなってくる。

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以上、名栗の森からのレポートでした。今回をもってトライアルを終了し、10月の例会から正式に「名栗の森オーナーズクラブ」が発足します。次回のMTGで最終調整をする予定ですが、入会金:1万円、会費:月額2,500円でスタートしたいと思います。会員は個人・団体を問いません。ビジターの同伴も自由ですが代表者はオーナーの自覚をもって、行動してください。また、一般の方も1組2,500円の参加費で、月次の例会・活動に参加できます。活動の見学や入会希望の方のお越しをお待ちしています。

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