ランドリソースってどういう意味?

土地は不動産とも呼ばれる代表的な資産です。昨今の空き家や耕作放棄地といった問題は、主に民有地が放置されている状態を指すわけですが、資産という観点からすれば、運用されていない遊休資産と言ったところでしょう。しかし土地は、元来生活や生産の場として私たちの生活にはなくてはならないもので、利用されずに放置されているのはその供給ができていないことに他なりません。需要と供給の関係で言えば、供給過剰だから余っているということになるわけですが、果たしてそうでしょうか?

確かに住宅やマンションは、人口が減少しているにもかかわらず新規の供給が続き、都心部では大規模な再開発が相次いでいます。老朽化した住宅や小規模の事業スペースにはかなり空室が目立ちます。供給過剰は誰の目にも明らかで、疑いの余地はありません。しかし一方で、住宅困窮者は確実に増えています。また、多くの事業者が賃料負担に耐えられずに廃業に追い込まれ、新規起業や開店に対する阻害要因にもなっています。つまり、需要に対して供給が過剰なのではなく、ニーズの無いものが供給されるミスマッチを起こしていると考えられます。

今求められているものは何なのか、それは不要な付加価値を排除した安いもの、いや極端に言えば、タダのもの…つまり「資源」です。土地は売ったり貸したりできる資産である以前に、使ったり生産するための資源です。土地はこの利用価値を永久に維持し続ける減らない資源だからこそ、おカネより信頼される資産となりました。しかし、その資産として使われる土地が増えすぎて、資源としてみんなが使える土地がすっかりなくなってしまいました。

ランドリソースとは、「土地資源」という意味の造語で、現状そのままの土地建物のことです。余計な投資を行わず、現状の情報を開示し、利活用、整備あるいは保全方法についての提案者を募りながら、資源の価値を最大限に発揮できる方策を模索します。ニーズに合わないミスマッチによる投資リスクを避け、長期ビジョンを描きながら運営することで、地域社会からも必要とされる息の長い事業を生み出したいと考えます。ランドリソースとは、現状の「不動産」の対極からその功罪を補完するため、社会の必要から生まれた選択肢だと確信しています。