2012年に創業した日本土地資源協会(LR)が、今、岐路に差し掛かっている。
いや正確に言うと、いいかげんに停滞を辞め、前進を再開すべき時が来ている。
すでに、停滞の原因やその排除法について、議論は尽くされている。
今必要なのは、踏ん切りと言うか、ひと押しと言うか、いつも僕がやっていることだと判っている。
そこで今日は、良い訳せず、この作業を進めたい。
ざっくり「これまで」を振り返り、「これから」を宣言したい。
“岐路を進む” の続きを読む
案内文の更新案
日本土地資源協会 のご案内
1.永続資産の個人所有
いつまでも消滅せず移動もできない土地を、本当に個人が所有できているのでしょうか。
永遠の土地を寿命ある個人が所有する限り、誰かに引き継ぎ続けなければなりません。
もしも引き継ぐ人がいなくても、売却すればいいと誰もが思っているのでしょう。
でも、それができないからこそ、土地や建物が使われずに放置され、「空き家」が今も増え続けています。 “案内文の更新案” の続きを読む
みんなで地主
地主は明治維新で廃止され、言葉だけが名残として残っている。
「土地所有」という言葉が、明治維新の前後では全く違う意味なので、「地主≠土地所有者」を説明するのは一苦労だ。
日本では、7世紀ごろには豪族たちが地方を支配するようになり、新たに開墾した者に土地所有権が認められる荘園制度が広がった。
だが、この「認められる」という言葉が権利を示すことを忘れてはならない。 “みんなで地主” の続きを読む
土地資源の定義
土地資源とは、土地資産の対義語として僕が勝手に作った言葉。
土地が土地として使われず、お金のように扱われていることに対する憤りがこの言葉を生み出した。
そのきっかけは、土地を相続せずにそのまま承継できないかという「笑恵館」の願いを叶えるためだった。
そのためには、土地を個人が所有せず、法人が所有すればいいという答えはすぐに見つかった。
そこで僕は、迷わずこの土地資源を法人名にした。
だが、今僕はこの名前に苦しんでいる。
笑恵館を事業化し、そのスキームを普及することを土地資源という言葉で説明するのは難しい。 “土地資源の定義” の続きを読む
新しい目次
先日のブログで「家族制度から社団法人への移行」を提案したところ、「社団法人って何ですか?」という質問をいくつかいただいた。
我ながら、唐突な説明だったと猛反省、今日は社団法人についてもう少し詳しく説明したい。
ここで言う社団法人とは「一般社団法人」のことで、2006年の公益法人制度改革により、「従来の社団法人」に代わって、公益社団法人とともに設けられた法人だ。
設立許可を必要とした「従来の社団法人」とは違い公益の有無は問われず、一定の手続きと登記さえ経れば主務官庁の許可を得るのではなく、規則に準じて誰でも設立することができる。
また設立後も行政からの監督・指導はないし、株式会社などと同じく収益事業や共益事業なども行うことができる。 “新しい目次” の続きを読む
遠く、遠く
このところ、即席ラーメンを生み出す試行錯誤に、僕も毎朝悶々と付き合っていた。
だが今朝の「まんぷく」は、ついにてんぷらから麺を揚げることを思いついた。
久しぶりに気持ちよく番組が終わったので、そのままのんびりテレビを見ていたら、今度は次の番組で流れる歌が僕の頭を掻きまわした。
それは、梶原敬之の「遠く、遠く」という歌で、「遠く遠く離れた街で 元気に暮らせているんだ 大事なのは“変わってくこと” “変わらずにいること”」という部分がのんびりと流れていく。 “遠く、遠く” の続きを読む
「する」と「させる」
ウィキペディアで「土地」を検索すると、次のように書いてある。
・・・・・
土地(とち、英 Land)とは地殻の表層部の内で海や湖沼、河川など恒常的に水に覆われていない地面であり、陸地・大地のことである。
また「土地の事情」、「土地の風俗・風習」などのように特定の地方や地域を示す場合もある。 “「する」と「させる」” の続きを読む
無償で生きられる世界
NHKの朝ドラを見ながら納豆を食べるのが僕の朝のスタイルだ。
9月に終わった「半分青い」では、昔校長を務めた世田谷ものづくり学校が起業の舞台となってびっくりした。
そして、今度の「まんぷく」は日清食品の創業者安藤百福さんの話とあって、今後の展開が今から楽しみだ。 “無償で生きられる世界” の続きを読む
小さな国のお留守番
地主の学校を予定通り8月中に書き終えた。書き終えたと言っても、最後のページまでひとまず書いたというだけで、読み直すと直したいところだらけだが、それでも〆切を守ってとりあえずやり遂げた。そして、引き続き内容を整理し、判りやすく面白くすることや、出版社を探して売り出すことなどやるべきことはたくさんあるが、 “小さな国のお留守番” の続きを読む
依存とサービス
僕は今、毎月5万円の小遣いをもらっているが、ほとんど5万円の貯金をしている。スーパーカブというバイクに乗っていて、これがリッターあたり60キロぐらい走るので、自宅から笑恵館までの往復が電車だと900円位かかるところ、カブだと100円程度で済む。笑恵館には週3日通っているので、電車に乗ったと思えば毎週2400円、月に1万円位が浮いてくる。今の僕は、このお金で暮らしているので、さっきの貯金ができてしまう。いきなりお金の話をしたが、僕は暮らしが充実すればするほどお金がかからなくなってくる。なぜだろうと思い、今日はちょっと考えてみることにした。 “依存とサービス” の続きを読む
ベーシックライフ
歴史はあたかも、地主を滅ぼそうとしていたように思えたのだが、それは違っていたようだ。土地利用の推進は政府が担っているように思われているが、それはインフラや資源となる公有地だけであり、暮らしや経済を担う民有地からは固定資産税や相続税を取るだけだ。補助金だらけの福祉やサポートが充実するばかりで、 “ベーシックライフ” の続きを読む
後出しの夢
地主の学校の執筆作業が、ようやくはかどり出し、何とか30%程度にこぎつけた。遅くとも8月中には完成し、9月には延び延びになっているSHO-KEI-KAN展Ⅴで、展示リリースしたいと思っている。執筆のスタートに当たり、一番苦労したのが、この本のまえがきだ。地主の学校という仮タイトルにしても判り難いのに、その内容はもっとわかりにくい。まあ、判り難いからこそ、書籍化を決めじっくり説明しようと思うのだが、 “後出しの夢” の続きを読む
未来の無い社会
あなたは未来についてまじめに考えているか。世の中は変化が激しいので、未来を考えるのは難しいなどと、いい加減なことを行っていないだろうか。確かに昔は、何百年も社会が変わらないことが普通だったので、未来は考えなくてもわかったかもしれない。長く続いた徳川時代なら、家業や家督を子孫に引き継ぐ “未来の無い社会” の続きを読む
であることと、らしいこと
オーナーシップとは「所有者らしさ」のこと。実際の所有者であるかどうかでなく、所有者として必要なことを備え持っているかどうかということだ。所有権とは、自分のモノを自由に使い、自由に稼ぎ、自由に処分できる権利というが、その権利を行使することがオーナーシップには不可欠だ。したがって、 “であることと、らしいこと” の続きを読む
非法人地域と都市国家
【非法人地域(ひほうじんちいき、英: unincorporated area)、または未法人化地域、未編入地域】とは、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリアなどの国に存在する、市町村に相当する最小区分の地方自治体(基礎自治体)に属さない地域である。 “非法人地域と都市国家” の続きを読む
行動から思いつくこと
11月は、11日間にわたり古民家の活用事例を見て回った。当初リストアップした216件のうち、訪問できたのは174件で、まだ西神奈川や千葉エリアなどが残っているが、調査はこれで一区切りとし、今日はその結果を簡単に総括したい。そもそも僕は何を探していたのか。それは、「古民家の背後に所有者あり」という仮説を確認するためだ。古民家には所有者が培ってきた良質な空間環境、所有者にとって捨てがたい価値、 “行動から思いつくこと” の続きを読む
石を積む
突然「石を積む」と言われても、あなたには「何のこっちゃ」だと思う。今日は、名栗の森オーナーシップクラブの11月例会に参加して、3つの「石を積む」を体験した。一つ目は、山道の途中にあるご神木の周辺整備。二つ目は、 “石を積む” の続きを読む
ランドバンクという言葉
昨年開催したSHO-KEI-KAN展Ⅲで紹介した「ランドバンク」が、じわじわと脚光を浴びつつある。
【アメリカの取り組み】一部の州で先進的に活用しているランドバンク(LB)は自治体内に設置される州法で定められた行政組織のこと。固定資産税を一定期間滞納した物件は、裁判所等の手続きを経て、郡のLB の所有とすることができる。LB は、放棄物件の活用を図るため、様々な事業を行う。また、 “ランドバンクという言葉” の続きを読む
土地問題の「無から有」
先日、兵庫県H市にある「どうしようもない土地」の相談を受けた。約6,000㎡の休耕田の一角に築100年を超える古民家が建っているのだが、リフォームはもちろんのことシロアリの駆除費用も捻出できないため、このままだと朽ち “土地問題の「無から有」” の続きを読む
余りと不足
空き家問題というと、家が余っている問題に思われる。確かに住宅は供給過剰で、賃貸住宅の2割が空いている。その結果、入居者の取り合い、家賃の暴落、賃貸事業の破たんなど、大家にとって受難の時代だ。だが、生活者の側から見れば、家賃が下がるのはいいことだし、大家の苦しみなどぜいたくな悩みにすぎず、 “余りと不足” の続きを読む
なんとかシップ
広辞苑を調べていたら、【スポーツマンシップ:正々堂々と公明に争う、スポーツマンにふさわしい態度】という記載を見つけた。「・・・シップ」を、「・・・にふさわしい態度」とは、とても分かりやすい表現だ。フレンドシップ、メンバーシップ、チャンピオンシップ、リーダーシップ、そして「オーナーシップ」とは、まさに “なんとかシップ” の続きを読む
不動産ビジネスを広げませんか?
今日、フリーパートナーのSさんと一緒に、世田谷区内の某不動産や社長にこんな提案をした・・・(続きは文末へ) “不動産ビジネスを広げませんか?” の続きを読む
世帯数問題
「世帯数問題」とはググっても何もヒットしない、ある意味で僕の造語だ。日本の人口は1985年に1億2千万人を超えたのちに頭打ちとなり、2008年12月をピークに減少し始めたが、世帯数はその間も増加を続けていた。たとえ人口が増えなくても、世帯数が増えれば経済需要は増加する。人口減少は経済を縮小させる “世帯数問題” の続きを読む
ただ今六日町訪問中
新潟県六日町にお住いのMさんから初めのメールをいただいたのは、4月22日のことだった。7年前まで旅館を営んでいた築45年の建物を、どのように活用できるか、否か、考える時期でもありと思い、笑惠館に興味を持ちメールいたしました・・・との問い合わせに、僕は即刻反応した。「”笑恵館”は、オーナーである田名さんの願いを実現したプロジェクトです “ただ今六日町訪問中” の続きを読む
成年後見に気を付けろ!
土地資源の活用に関する相談を受ける機会がだんだん増えてきましたが、僕が取り組みたいのは利用者より所有者からのご相談です。なぜなら、土地資源の新たな活用には所有者の同意が不可欠ですし、その継続には所有者の参加が不可欠だからです。ところが実際に相談に見える方の多くは所有者ご本人でなくそのご家族です。 “成年後見に気を付けろ!” の続きを読む
僕を釣った男
今回の訪問は、石川県羽咋市宇土野町にある、築350年の岡部家住宅の再生プロジェクトが始動する節目の訪問だ。これまでは、岡部家の方や現地の親戚(分家)との信頼関係を築くプロセスだったのに対し、これからは現地での新たな仲間作りとして、家族の輪を広げる段階に入る。そこで僕は事前準備として、「羽咋」で検索できたすべてのサイトを覗き、その手掛かりを模索した。そしてようやく唯一のサイトにたどり着いた。 “僕を釣った男” の続きを読む
つまらないを定義する
「みんなのビル」は、つまらないビル経営を面白くするプロジェクト。ここで言う「つまらない」とは、次の4つのことを指しています。
1.相続する身内のいない【諦めのビル】
2.その良さが活きてない【残念なビル】
3.老朽化して人気のない【老いたビル】
4.他人任せで苦労の無い【不労のビル】 “つまらないを定義する” の続きを読む
解決のイメージ
笑恵館の近所の空家群を見に行った。まず、相談者Oさんのお宅はご夫婦の暮らしが2階でほぼ完結しているので1階の5部屋が空き室状態で、当面の課題は[片付け]だ。そして庭続きの裏の家は趣のある木造2階建てで、和風にまとめられた庭には時々植木屋さんが入っているという。さらにその隣家も大きな家で、 “解決のイメージ” の続きを読む
空き家を生まない社会を目指して
「空き家を生まない社会を目指して」という言葉は、僕が設立した[日本土地資源協会]という団体のミッションをわかりやすく表現するために思いついた言葉だが、実はこれには元ネタがある。
それは、株式会社ワーク ・ライフバランスのK社長の言葉「残業の無い社会を目指して」という言葉だ。 “空き家を生まない社会を目指して” の続きを読む
土地資源の再定義
協会HPには、 【ランドリソース】とは、土地資源を意味する造語です。 土地や建物を「当事業の対象」として指し示すとともに、土地の利用・整備・保全に取り組む際に単位となる「一団の土地」を表します。 とあるが、これは具体的な記載とは言えない。 そこでまず「土地資源」を再定義したいと思う。
土地を資源化する4要件
1.開放不動産
一般の不動産では、未利用部分を閉鎖して不特定の人々の立ち入りを認めない。その主な理由としては、開放していると第3者に占有されたり毀損される恐れがあるからだ。上記を解消するためには新たな手間や負担が生じるため、結局未利用部分は放置され、増加している。