地域を作ろう

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アメリカの合衆国議会について、ウィキペディアにこう書いてある。

上院の定数は100議席であり、米国各州から2人の上院議員が6年の任期で一般投票によって選ばれる。2年ごとに3分の1の議員が改選される。議席配分が州の人口や面積などに関係なく各州一律2名となっているのは、建国当初に人口の多い州と少ない州で対立する利害を調整するためにコネチカット州の提案により生み出された策であり、「大妥協」(Great Compromise) と呼ばれている。

下院の定数は435議席で、議員は一般投票によって直接選出され、2年ごとに全議員が改選される。議席は各州の人口比に応じて配分され、各州において選挙区割りが行われ、単純小選挙区制度により各議員が選出される。

 

いきなりアメリカの例を持ち出したのは、地方自治について議論をしたいから。

日本の一票の格差は、世界的に見ても重傷だが、裁判所が「違憲状態」と言っても全然改善されない。

アメリカでは上院が70倍で下院が1.9倍の格差というのに、日本の参議院が多い時で5倍を超えていたのは、いかにも中途半端だ。

アメリカの上院が70倍なのに比べ、国連では最大の中国の13億人は最小ツバルの9,929人(バチカンの458人は例外として)13万倍だ。

だから、地域ごとに対等な上院と人数ごとに平等な下院の組み合わせは、面白い発想だと思う。

 

完全に人口比例で議席配分をして、一票の格差を無くすのが平等だと思うが、だとしたら地域ごとに議員を選出せず、単に人口に比例して選挙区を作ればいいはずだ。

それを、どうしても都道府県に合わせたいという意味が分からない。

そもそも都道府県は、どれだけ地域性を反映しているのか怪しい。

東京周辺の埼玉、千葉、神奈川県は完全に東京のベッドタウンであり、地元の立候補者など観たことも無い人たちだ。

地方自治体の選挙では選挙区など存在しないことを考えれば、単に選挙運動費の節約程度にしか思えない。

昔、選挙運動をしない青島幸雄が政見放送を提案したように、webなどのメディアを使う方法は幾らでもある。

 

一方、これが国ごとの選挙になると、突然一票ずつになるのはなぜだろう。

確かに日本の1票に対し、中国が13票あったらおかしいと思うが、それは日本と中国の何が対等だというのだろう。

僕はそれを「独立」だと思う。

たとえツバルの9,929人であろうとも、1つの国として独立していることに対する敬意の表れだ。

だったら、地方自治とは何なのか、国内のタダの線引きに過ぎないのか。

実際、地方自治の線引きは行政の区分けに過ぎず、そこに地域の独自性や独立性があるわけではない。

したがって、そこで選ばれる議員による議会は、行政のお目付け役に過ぎない。

そして、同様の区画から選ばれる国会議員は、当然地方議員のボスになり、地方自治体からも一目置かれる。

こんなの、ホントに民主主義か?、僕は大いに疑問を感じる。

 

僕は地主の学校を書くうちに、「国づくり」などと言いだしてしまったが、この頃本気になりつつある。

別に日本から抜け出して独立したいわけじゃないが、世田谷区とか砧町からは飛び出して、自分の地域をつくりたい。

そして、地域社会が担うべき役割を試しに自分で担ってみたい。

先日そんな話を世田谷区のYさんに投げかけた。

議会で政争に使われて、邪魔ばかりされるくらいなら、区役所でやるの辞めて笑恵館でやったらいい。

そしたら不思議な顔してた。

 

日本の歴史を振り返ると、黒船来航やGHQの戦後処理など結局いつも外圧があって、無理やり民主化を進めてきた。

自分たちが勝ち取ったのでなく、あてがいぶちの民主主義だから、誰も疑問を持たないが、そもそもおかしいと僕は思う。

でも、地域社会は自分たちで作るもの。

地方自治とは、地域の独立を尊重することのはず。

外国の土地買い占めを許してしまうほど、個人の土地所有権が守られているというのに、土地を使わずに売り買いしている場合じゃないはずだ。

 

そこで僕は、会員制の地主クラブを普及させたいと思う。

土地の維持費を割り勘で負担するメンバーを集めて、みんなで地主になるクラブ。

もしも不労所得を生み出す土地なら、それを財源に国づくりをやればいい。

この国の国民は住民じゃなく所有者なので、何でもできる夢の国だ。

そして近所の地主が賛同して入会すれば、その人の土地も国土になって、みんなが使えるようになる。

考えてみれば笑恵館も、名栗の森も、基本的にはこの発想だ。

すでに僕の国づくりは、始まっている。

 

今日で9月も終わりを迎え、地主の学校の書き直しは終わらなかった。

明日から、心機一転書きたいと思う。

「地主の学校」を「地主クラブ」に変えてみようか。

なんだか、そんな気持ちになってきた。