土地資源の定義

土地資源とは、土地資産の対義語として僕が勝手に作った言葉。

土地が土地として使われず、お金のように扱われていることに対する憤りがこの言葉を生み出した。

そのきっかけは、土地を相続せずにそのまま承継できないかという「笑恵館」の願いを叶えるためだった。

そのためには、土地を個人が所有せず、法人が所有すればいいという答えはすぐに見つかった。

そこで僕は、迷わずこの土地資源を法人名にした。

だが、今僕はこの名前に苦しんでいる。

笑恵館を事業化し、そのスキームを普及することを土地資源という言葉で説明するのは難しい。

僕がここまでたどり着けたのは、土地資源という言葉のおかげだが、僕が社会に伝えたいのは「これまでのプロセス」でなく、「これからやるべきこと」だから。

そこでまず、僕は違う名前を考えてみた。

法人設立から7年、笑恵館開業から5年もかかってしまったが、今年はついに二つ目の事例「一宮庵(いっくあん)」と出会うことができた。

来年からは、複数のプロジェクトを運営しながら、いよいよ事業展開を開始する。

だからこそ、わかりやすい説明にふさわしい「名前」が望ましいと考えた。

そもそも社団法人とは、一定の目的で構成員(社員)が結合した団体(社団)のうち、法律により法人格が認められ権利義務の主体となるもの。

だからこそ、その目的が明確でなければならないのだが、「土地資源協会」という名称は人でなく土地を示しているように見える。

むしろ、「土地所有協会」とか、「永続地主協会」など、仕組みや役割を示す言葉の方が良いのかもしれない。

ところが、いざそういう名前に変えようとすると、僕の心が言うことを聞かない。

いくら仕組みや役割などが具体イメージできたとしても、肝心な目的を共有できるのだろうかと。

振り返ってみると、土地を保有する法人なのだから、「財団法人」がふさわしいと多くの人に言われた。

だが、土地をお金と思わずに、資源として使い倒すことを目指すのだから、断固「社団法人」にこだわった。

これも「土地資源」という言葉が僕の背中を押してくれたおかげだろう。

「土地資源」という概念なしに、この事業を説明することの方が、致命的な間違いかもしれない。

難しいからこそ、きちんと土地資源を定義しなければならない。

そこで僕は、直感的にひらめいた資源という言葉を、そこから生まれた手法と照合することにした。

まず、資源はお金ではない、お金は資源を手に入れるための引換券に過ぎないこと。

土地を売ってお金にしたいのは、土地は要らないということで、土地資産とは要らない土地のことになる。

実際に土地は地球の一部分であり、売買の対象はその所有権にすぎない。

さらに言えば、その所有権も買わずに継承すればいい。

そもそも資源はすべてタダで、それを引き継いでいるに過ぎない。

その資源を利用して人間同士が事業や商売をしているだけのことで、地球は決して場所代など請求しない。

「土地が生み出す収益は、土地のために使うべき」という「非営利不動産」はここから生まれた概念だ。

土地は所有者が儲けるための資産でなく、使用者が儲けるための資源のはず。

所有者が使用者から使用収益を得ているのは、あくまで所有権に含まれる収益権によるもので、決して地球に成り代わって使用料を取っているわけではない。

そもそも土地を購入することが、土地を売ったり貸したりして収益を得ようと駆り立てる。

土地の需要が供給を上回り、土地収益が土地価格を引き上げたから、土地が値上がりし続ける神話を生み出したに過ぎない。

この点だけは昔に戻り、土地を無償で引き継ぐことで、この悪循環を断ち切りたいと僕は考えた。

土地は地球という資源であり、その所有権の売買が使用を妨げるべきではない。

土地の利用を促進し、管理するのが所有者本来の役割なのに、その役割を行政に委ね個人所有者が土地を財産と思い込んでいる。

だが、日本政府は固定資産税という賃料を徴収するため、土地を所有する気はない。

個人所有者が売買に明け暮れて、その利用促進と管理を怠るどころか、閉鎖して放置しているのが空き家問題の本質だ。

つまり、土地資源とは、利用するための土地のこと。

土地資源協会とは、自ら土地資源を所有することで、その自由は使用を永続的に守る仕組みを作り、実践し普及する法人だ。

あああああ・・・すっきりしたので、このままブログに投稿しよう。